経営理念がクリニック差別化の要!
医療
理念なき経営に人は集まらず
診療コンセプトの明確化
-独立時の最重要課題-
経営
- 2020.10.06 -
経営理念とは何か?
経営理念は「なぜ自分のクリニックが存在するのか?」を、内外に知らしめるための言語化ツールです。
開業した貴方のことを、誰も知りませんし、他人に過ぎません。
「私はこういう者です」を明確にすると、それを欲する患者様や従業員が集まってきます。
反対に、遠ざけたい人を排除できる副次的効果も存在します。
経理理念の設定は経営者としてクリニック開業にあたり、最初にして最高に難しい課題なのです。
どんな患者様をターゲットにするか
一般人にとって「内科」や「耳鼻科」といった呼称は理解できるものの、それ以上の医師の専門分野はまず分かりません。
クリニックの増加や診療報酬の伸び悩みもあり、経営環境が厳しさを増す中、自社の特色を出さなければ勝ち残れない時代になっています。
診療コンセプトを明確にすることは、目指す診療所の在り方ひいては立地条件、建物外装、内装、受付窓口の事務員採用、医療機器の購入まで、全てのことに繋がっています。
それらが一気通貫で「カチッ」とはまってこそ、一般人にとって分かりやすいクリニック、自分が選ぶべきクリニックと理解できると思います。
経営者の思いを従業員に浸透させる
お勤めの頃(例えば、大学病院)であったころは、その病院自体がブランドでした。
開業して自分のクリニックを持つと、自分自身がブランドのように思われますが、必ずしもそうではありません。
患者様や働いてくれる従業員は、クリニックの全てを見て集まって来てくれます。
資金力や組織体制が充実した大病院と異なり、クリニックでは特に「人」に対する評価が、ブランド自体の評価へと繋がりやすいものです。
医師自身の能力が高くても「窓口で事務員の態度が悪かった」「先輩社員のパワハラで働きにくい職場だ」というレッテルを貼られれば、信用を取り戻すのに時間がかかります(特に、インターネットの口コミは消せません)。
経営理念を掲げて社員教育を施すこと一体感を持った経営が実現でき、クリニック全体のブランドとなり、患者様からも従業員からも支持されるのです。
経営理念を理解できれば、従業員はそれに沿った立ち居振る舞いや接客ができるようになるでしょう。
そこで患者様が感じたものが、自社ブランドの形成する大きな要因となります。
文字で可視化することは、自分自身が口頭で説明する手間を省くメリットもあります。
開業計画書の柱となる
現実的な話として、銀行から融資を受けるには事業計画書の作成が必要です。
作成には様々なテクニックがありますが、最も大切な要素の一つが「一貫性」です。
「この項ではAと言って、別の項ではBと言っている。何が言いたいのだ?」という評価が下ると、事業性評価は低下してしまいます。
それを一つに結び付けるのが経理理念です。
確立した理念の下で事業を構成すれば、一貫性を持ったシナリオの組み立てが可能となります。
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